サイナスリフトとは、上顎の奥歯の部分に骨が少なく、インプラント治療が不可能な患者さんのための治療法です。サイナスとは、上顎の骨の上部にある空洞をいいます。この空洞の粘膜を持ち上げて骨で充満させることにより、インプラントを植立する骨の高さを得ることをサイナスリフトといいます。では、模式図で説明します。
【1】赤丸で囲った部分が歯を失った場所です。
【2】赤丸の部分を、輪切りにして前方から見てみると、下から、歯ぐき、骨、粘膜、空洞となります。
【3】横(赤丸部分)から穴を開け、粘膜(青丸部分)を持ち上げます。
【4】持ち上げた粘膜の下にできた空洞に、カルシウムの粉を充満させます。
【5】6ヶ月ほど待つとカルシウムが吸収し硬い骨に変わります。そこで、その硬い骨にインプラントを植立します。
【6】失った歯(赤丸部分)を取り戻すことができました。
【1】赤線で囲まれた部分が空洞です。レントゲンでは、黒っぽく写っているところが空洞、白っぽく写っている所(青丸部分)が骨です。
【2】赤線に囲まれたところが、白っぽく写って、骨に変わっているのがわかります。
【3】インプラントが植立され、人工の歯が入っています。硬いものもしっかり噛めますし、カラオケで入れ歯がジャマになることもありません。
このように、骨が無いのでインプラントができないとあきらめていた方でも、計画的に治療を行えば、不可能はありません。
サイナスリフトの技術を応用し、生体に対する負担が少なく、上顎洞の必要な部分にのみの骨を増やす方法です。
GBRとは、インプラントを埋め込むのに十分な骨の厚み、幅がない場合、インプラント埋入箇所に骨の再生を促す特殊な膜を入れます。破壊されてしまった歯槽骨を徐々に再生することが可能です。
【1】歯が脱落した部分は、歯槽骨の吸収がさらに激しくなります。
【2】骨が無くなった部分に移植骨を支持用スクリューを用いて固定します。
【3】骨組織を再生させたい部分に歯肉などの柔らかく繊維性の組織細胞を混入させないため、生体材料でできた専用の膜で骨を作りたい部分を覆います。
【4】専用膜の設置が完了したら、歯肉を元に戻し、骨の再生を待ちます。この間、術部に必要以上の刺激を与えないようにします。
この方法の特徴は、インプラントの手術開始から2時間後には、インプラントを支えとした仮の歯が入り、すぐに、リンゴを丸かじりすることができることです。例えば、下顎に1本も歯が無い方を従来の方法でインプラントを行った場合、インプラント手術後から、取り外しの総入れ歯を仮の歯として使い、インプラントを支えとした歯が入るまで4ヶ月程度待たねばなりませんでした。入れ歯がいやでインプラントにするのに、しばらく入れ歯の生活が続いてしまうのです。しかし、ノーベルガイドによる即時加重インプラント法では、手術の2時間後には、何でも食べられる、インプラントを支えとした仮の歯が入ります。
【1】上顎にも下顎に1本も歯が無く、上下に総入れ歯を使っていた方です。今回は、下顎の総入れ歯をやめてインプラントにしたいという希望でした。
【2】まず、CTスキャンであごの状態を撮影します。
【3】CTスキャンのデータを3D画像に変換しコンピュータ上でインプラントの計画を立てます。骨の形や厚み、骨の硬さ、硬い骨と柔らかい骨の割合、相手の歯との方向性などに注意を配り、慎重に計画して行きます。
【4】インプラント同士の方向性にも注意して、バランス良く植立する計画を立てます。
【5】計画が決まったら、ドリルガイドをコンピュータ上で設計します。ドリルガイドを使うことで計画と同じ位置に骨に穴を開けて行くことができます。
【6】これが、実際のドリルガイドです。これが、バーチャルと現実を繋ぐ鍵になるわけです。
【7】ドリルガイドを使用してまず、模型を作ります。その模型で仮の歯を手術前にあらかじめ作っておきます。これで手術の準備は完了です。
【8】いよいよ手術当日です。まず、ドリルガイドを使用して、計画通りの位置に正確にインプラントを植立していきます。写真は、インプラントが入った後のレントゲンです。
【9】仮の歯の装着です。あらかじめ作っておいた仮の歯をインプラントの上にネジ止めします。これで、1日の治療は全て終了です。帰宅後すぐにでも食事ができます。数ヵ月後、最終的な新しい歯に作り変え、見た目を綺麗に整えます。
【10】最後に、実際に行われた手術の様子をダイジェストでご覧ください。
※左の動画はFLASHを使用しています。FLASHが再生されない方はこちらからプラグインをダウンロードして下さい。
日本発の新しいインプラント法 OAM(大口式)インプラントシステム。
最初に小さな穴を開けるだけなので、骨をほとんど削らないから痛くなく、
ドリルで削らないので出血も少ないです。