トップページで、歯科医師としてのインプラント治療に対する思いをお伝えいたしました。
1990年代前半、私が歯科大で学んでいる最中、大学病院の口腔外科では、過去のサファイヤインプラントやセラミックインプラントに代わり、現在の「チタン」インプラント治療の基盤となる臨床治験や研究が盛んに行われ、インプラント治療が、これからの歯科治療の一分野として重要な役割を担うものと感じることができました。
しかし、インプラント治療学は、大学教育のカリキュラムには正式に組み込まれてはおらず、私は卒業後、独学で学ぶ必要がありました。
国内外の文献、外国の教科書など辞書を片手に読みあさり、1994年3月に「ブローネマルクシステム」のコースを卒業し、インプラント治療を行う許可を取得しました(当時はこの許可がないとインプラント治療を行うことができませんでした。)。
あれから様々な患者様、様々な症例、様々な先生方に診療室の内外、学会、研修会等で出会い、治療させていただき、学ばせて頂くことができたのは私にとってかけがえのない財産です。
今までの、そしてこれからの「吉江歯科医院のインプラント治療」の一里塚として、また「吉江歯科医院のインプラント」は世界基準に則しているのか?を確認する目的で、今までの症例をひっさげドイツにも渡りました。
ヨーロッパで最も古くから続き、最大のインプラント学会であるDGZIドイツ口腔インプラント学会に直接赴き、ミュンヘン、デュッセルドルフにて、症例報告、筆記試験、口頭試問を受け、2006年にはGlobal Oral Implant Academy、ドイツ口腔インプラント学会(DGZI)インプラント認定医、2007年にはドイツ口腔インプラント学会(DGZI)インプラント指導医の称号の取得もしました。
しかし、医学には「これで完璧」というのはありません。
これからもさまざまな研修会、学会に参加し研鑽を積み続けていきます。
1994年このサティフィケートを取得して私のインプラント治療が始まりました。
2006年ドイツGOIA
インプラント学会のインプラント認定医取得、ドイツ本国での試験でしたのでとても緊張したのを覚えています。
2007年DGZI
ドイツ口腔インプラント学会のインプラント指導医取得、本国でのステップアップ試験の結果、指導できる立場になったことに対する責任感を強く感じています。
病院に行かれた時に、やっぱりこの病院にかかってよかったと思う瞬間とはどんな時ですか?
親身に話しを聞いてくれ安心感がある、患者様に気を配り、安全に診察、治療をしてくれる、治療の技術が高い、いざという時変わらずそこに居てくれる、・・・など、さまざまな要因があると思います。
それは全てプロとしての意識の高さに基づくものだと思います。
当院でも、ドクターと研鑚と経験を積んだスタッフが、チーム一丸となり、皆様の治療にあたらせて頂いています。
ドクターだけが優秀でも、治療の良い結果、進歩は望めません。ドクターの腕は、スタッフに支えられています。本当です。
実は、吉江歯科医院にはスタッフに対するいわゆる「患者様対応マニュアル」は存在しません。
医療の現場は常に変化しています。その状況に的確に対応するには、各自が日頃から研鑚を積み経験し、学ぶことがまず大事です。
そしてそれを生かすのは結局、「人としての心」ですし、「チームとしての連携」です。
マニュアルだけに縛られた行動は、時としてすべてのやる気を失わせることがあります。
私たちは、患者様の立場に立って、「あなたに本当に必要なことは何なのか?」を考えられるドクター、スタッフでありたいと願っています。
明るくて気配りのできるスタッフが、チーム全体で進化し続け、患者様を、そして私を支え続けてくれます。
【院長(中央)とスタッフ】
患者様にとって、技術と合わせて重要なことに、治療機器・設備の重要性があります。私もそう思います。
例えば、多くの医院ではインプラント治療の診断を、従来のパノラマレントゲンのみで行っているのが現状です。また、ひとたび CT によって診断をするとなると、外部の総合病院やイメージングセンターに CT 撮影を依頼することが多く、患者様にも時間や、移動の手間などがかかりました。
過去には当医院でも患者様に川崎市の京浜病院まで赴いていただき、 CT 撮影後、データをソフト上で開き、治療シュミレーションさせて頂くことを約 10 年ほど前から行っていました。が、現在は、クリニック内に CT を入れることで、よりスピーディーに診断することが可能となりました。
当院は早い時期より ジーメンス(シロナデンタルシステムズ社製 ドイツ) ガリレオス CT を、クリニック内に設置。シミュレーションソフト上での治療計画の立案を、すべての症例に対して行っています。インプラント治療の安全性の向上、精度の向上、患者様の負担の軽減に、院内 CT は大きく貢献しています。
ジーメンス(シロナデンタルシステムズ社製 ドイツ)
ガリレオスCT 当医院CTルーム
院内のCTルームで撮影されたデータはすぐに画面上で見ることができます。
もちろん手術室のモニターとリンクしており、手術中にも情報を確認しながら処置が行われます。
また、インプラント手術は、院内の個室手術室で行われます。
インプラント治療に合わせた設備として、無影灯、高圧蒸気滅菌器、高速高圧蒸気滅菌器、マイクロスコープ、炭酸ガスレーザー、半導体レーザー、笑気ガス麻酔、血圧・心拍・ SpO2 測定モニターなどの機器の環境を整っており、また、インプラント治療の器具の滅菌、準備にぬかりはありません。
【無影灯】
お口の中は皆さんが思っている以上に暗いものです。
インプラント治療においては通常の無影灯に加えて大きな無影灯を必要とします。
これを使うことで術中に頭や手の影ができづらく、明るくよく見えます。
【マイクロスコープ】
歯肉や上顎洞粘膜の状態など、拡大して観察すべき時に威力を発揮します。
【電動注射器】
圧力がコンピュータ制御されている電動注射器従来の注射器と違い、注入する際に手の圧力ではなく、コンピュータで制御されることによって、一定の力で優しく、ゆっくり注入する事ができます。
これを使うことで、注射の時のあの痛みが、極めて少なくなります。
【カートリッジウォーマー】
麻酔薬の温度を一定に保つ装置。
実は痛くない麻酔のひとつのコツは、体温と同じ温度の麻酔薬を使うこととされています。
当歯科医院ではこのウォーマーを
使って麻酔薬はいつでも36.5℃に
キープされております。
効きも速く、注射したときの刺激が極めて少ないのが特徴です。
【高圧蒸気滅菌】
インプラント治療の器具は使い捨てのものも多いのですが、ステンレス製の器具などは高圧蒸気で完全にバイ菌のいない滅菌状態にして使用します。
滅菌には細心の注意を払っています。
【炭酸ガスレーザー】
粘膜の治癒促進や止血などに使用します。
【半導体レーザー】
歯肉の形態修正や切開、止血などに使用します。
【笑気ガス】
手術がちょっと怖いな、うとうとしているうちに終わればな・・・と思われるようでしたら笑気ガスは気持ちを楽にしてくれます。
もっと深い眠りをご希望でしたら、麻酔医による静脈内鎮静法を行うこともできます。
【血圧モニター】
安全に手術を行うための全身状態の把握には、モニターは必要不可欠です。痛みを感じれば脈は速くなり、血圧は上昇します。リラックスすれば脈は落ち着き、血圧は安定します。血液の中の酸素濃度(Spo2)も重要な情報です。
【AED】
安全第一に行われる手術です。
だからこそ万が一の時の備えが必要なのです。救急蘇生講習を院長・副院長、AEDの使用講習は全スタッフが受けています。
【笑気ガスの蘇生器】
AEDと合わせて酸素吸入・蘇生器も万が一の備えです。「何も起きないだろう」ではなく、「何か起きたら」が我々の前提です。
すべての治療が自己満足にならぬよう、また、世界基準で治療を行うには、国内の多くの学会・研修会への参加及び年に1から2回の海外の学会・研修会への参加は必要不可欠だと考えています。
私がドイツ口腔インプラント学会(DGZI)の認定医・指導医の称号の取得もしていることもあり、ドイツの歯科医師、Dr.ゼムラー、Dr.ディーラウト(ミュンヘン大学インプラント科前教授)、Dr.ブートロス(米国ミシガン州、歯周病専門医)ら、ともつながりがあります。
【Dr.ゼムラーと院長】
【Dr.ブートロスと院長】
お互い意見を交わしあい、情報交換をするよき仲間というのがふさわしいでしょう。
また、当院の患者様でしたらおわかりになられる方も多いと思われますが、外国人(主にドイツ人)の患者様も毎日、多数いらっしゃっています。
そんな吉江歯科医院ですので、世界基準、いやそれ以上が必要なのです。